みんなの経済新聞ネットワーク 11月29日(月)6時0分配信
よこはま動物園ズーラシア(横浜市旭区上白根町、TEL 045-959-1000)のトウホクノウサギの体毛が冬に備えて白くなった。(港北経済新聞)
トウホクノウサギは雪が積もる地域に生息しており、冬は毛の色が茶色から保護色となる白色へと変化する「換毛」が見られる。現在は約9割が白くなったところで、12月には完全に真っ白となる。
そのほか同園には季節の変化に伴ない毛や羽が生え変わる現象「換毛」「換羽」が起こる動物がいる。レッサーパンダやホンドタヌキなどは毛が長くなり夏に比べて丸みを帯びた形になるほか、おしどりなどは繁殖期に向けて羽が鮮やかな色に生え変わる。
同園飼育展示係長の松井桐人さんは「トウホクノウサギはぼんやり茶色っぽさを残すのみで、ほとんど白くなった。これからしばらくは真っ白いノウサギがいるので展示場で探してほしい。そのほかツキノワグマ、ホンドギツネ、ツシマヤマネコ、ポニーのシンスケも毛がフワッとしてきている。こうした冬の動物園を楽しんでみては」と話す。
開園時間は9時30分~16時30分(入園は16時まで)。入園料は、大人(18歳以上)=600円、中人(高校生)=300円、小人(小・中学生)=200円、小学生未満無料。
和名 トウホクノウサギ(東北野兎)
学名 Lepus brachyurus angustidens
分布 本州の日本海側及び東北地方
体長 45~55cm
体重 2~2.5kg
希少度(レッドリスト) 軽度懸念(LC)
特徴(生態) 丘陵地から山地にかけての若い植林地や草地に住み、草や木の葉、小枝、樹皮を食べます。夏毛は茶色に、冬毛は白色になり、毛色の変化は気温ではなく、日照時間に左右されます。単独で生活し、主に夕方と夜明け近くに活動します。繁殖シーズンは、3~10月にかけてで、この間3~5回繰り返し出産します。子は、毛が生え目も開いた状態で生まれ、生後1ヶ月ほどでひとり立ちします。野生下では、生態系の下部に位置し、常に天敵に狙われる存在のため、素早く敵の存在をキャッチするための長い耳や360度の視野を持つ眼、そして敵から逃れる為に強靭な跳躍力を生む大きな後ろ足など、まさに逃げるために進化してきたような動物です。 (よこはま動物園より)
上野動物園の小獣館の地下、いちばん奥の広い部屋で、2009年の9月8日から、トウホクノウサギ1頭を展示しています。なお、「東北野兎」です。「東北の兎」ではありません!
この個体は、2009年5月初め、長野県の野沢温泉スキー場近辺で保護されました。生後数日でした。その後、8月26日に上野動物園にやって来たのです。
現地では人工哺育で育てられましたが、急に人間に対して攻撃的になってしまったそうです。来園当初も、初期の緊張状態がとけると人間に向かって攻撃してくるようになりました。
人を恐れず攻撃するようになるのは、人工哺育のデメリットの一つです。飼育担当者と飼育動物がある程度の距離(もちろんケースバイケースです)を保つことがお互いの安全のために重要になります。
しかし、10日ほどで環境にも慣れ、攻撃的なところはなくなり、飼育担当者が近づくと逃げていくようになりました。そして、約2か月で担当者との関係ができあがり、青草やカシの枝を与えるときは、そばにやってくるようになりました(けっしてなついたわけではありません)。
日本のノウサギのなかまには、トウホクノウサギ、キュウシュウノウサギ、サドノウサギ、オキノウサギの4亜種が知られています。トウホクノウサギは東北地方や本州の日本海側に生息しています。多摩動物公園の園内など、関東地方で見られるのはキュウシュウノウサギです。
別種であるエゾユキウサギは冬に毛がほぼ真っ白になりますが、ノウサギで毛が白く変化するのはトウホクノウサギだけです。東北北部など高緯度の地域、また、冬の気温が低い地域や降雪量が多い地域の方が、白くなる割合が大きいようです。
小獣館の個体は冬が深まるにつれて毛の白い部分が広がり、今では後ろ足の大部分と腹の毛がほぼ白くなり、前足から胸のあたりがかなり白くなりました。
日本の自然のサイクルを身近に感じられます。(2010/1/29 上野動物園ファンサイトより)
よこはま動物園 http://www.zoorasia.org/index.html
日本のレッドデータ検索システム http://www.jpnrdb.com/
カテゴリー定義(環境省より)http://www.biodic.go.jp/rdb/category_def.pdf